栄光の岩壁 芳野さん死去

 今朝の朝刊で芳野満彦さんが亡くなったと訃報を見ました。享年80歳。

 戦後の日本登山界をリードした方で、日本人として初めて欧州アルプス3大北壁であるマッターホルン

 の北壁の登攀に65年成功し、新田次郎の小説「栄光の岩壁」のモデルとして知られます。

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 新田次郎の小説「栄光の岩壁」。20代の頃大いに影響を受けました。

 山登りを始めて間もない20代の頃、この小説の影響で岩壁登攀(ロッククライミング)に興味を持ち

 ました。当時鈴鹿に住んでおり、御在所岳にある岩登りのゲレンデ藤内壁にもアプローチが良く通えた

 のも影響大でした。

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 小説もあってかマッターホルンは登りたい山でありましてノーマルルートですが1995年に実現しま

 した。

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 山頂にいたのは一瞬の出来事でしたが、今でも鮮烈に覚えており頂上から見渡した風景を見て、地球は

 素晴らしい!と思いました。 (写真はルート案内本によるマッターホルン山頂の様子)

 私はノーマルルート(ヘルンリ稜)から登ったのですが、山頂直下では北壁の上を登ります。ルートは

 写真の左側のクラストした雪面を行くのですがアイゼンとピッケルを利かせて登ると1千何百mと切り

 落ちた北壁の垂壁のルートが足元下に見えます。北壁は意識していたのですが足の隙間から眼下に見え

 る北壁登るのは、見下ろすとルートの難しさから私には絶対無理だし、凄いな!と思ったものです。

 私の若い頃に多大な影響を与え山の世界と登攀に興味を持たせてくれた芳野満彦さん、ご冥福をお祈り

 します。

 また一つ時代が終わったと感じました。