メカポン
メカポンと言うと、ポルキチの方はみなさんご存知だとは思いますが、ポルシェの場合、ボッシュ機械式燃料噴射ポンプの事を指します。911では69~73年までのEやS(一部Tも)、73~75のカレラと83年のSCRSに採用されたインジェクションシステムです。
基本的にスロットルの開度とエンジン回転数で制御しており、現代のガソリンエンジンのインジェクションのように流入空気量を計量して燃調を制御しているわけではありません。私も長年メカポンの車に乗っていましたが、お陰で燃費は良くないです。レスポンスや音が良いので不満はありませんでしたけど。
ルフトは旧いポルシェをよくメンテしてますのでメカポンの整備や調整も時々しています。燃料の濃さの調整は噴射ポンプをSST(特殊工具)にて調整します。上の赤丸が中速域の調整部、下はアイドル域での調整部です。
噴射ポンプは左のカムからコックドベルトにて駆動しているのですが、以前、ナローに乗っているとき、翌日より福岡から遠くは鈴鹿へ遊びに行く為、整備点検をしておこうとポンプのベルトの張りを調整していたら「ブチッ!」とベルト切れ!!ベルトの予備がなく、泣く泣くナローで行くのを諦めバイクで行った事があります。多分調整中に切れてなかったら、途中で切れて立ち往生していたと思います。
噴射ポンプの上にきのこみたいな物体が載っていますが、これは大気圧センサーです。気圧を感知して燃調を補正しています。
昔、ナローで乗鞍スカイラインへ行き、畳平の駐車場(標高2700m)でエンジンを止めたのですが、こんな空気が薄い所でエンジンが再始動するのかなあ?と思ったらあっけなく始動しました。怪しげな部品ですが?ちゃんと気圧は感知しているようです。
メカポンは歴代のレーシングポルシェ(906~917等)などにも採用されていたので、私の中ではレーシーな感じがする過激なポルシェの匂いがするインジェクションです。